Journal of UOEH
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[症例報告]
乳腺基質産生癌(matrix-producing carcinoma)の1例
井上 譲 城田 ふみ矢吹 慶佐藤 永洋皆川 紀剛勝木 健文佐藤 典宏永田 貴久柴尾 和徳松山 篤二青木 隆敏平田 敬治
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2017 年 39 巻 2 号 p. 167-173

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抄録

症例は61歳,女性.右乳房腫瘤を主訴に精査加療目的で当科紹介された.右乳房A領域に最大径19 mm大の腫瘤を触知した.乳腺造影MRIでは造影にて辺縁部がリング状に増強される腫瘤で,造影CTでも内部は低吸収で辺縁は高吸収を示し,腋窩リンパ節ならびに遠隔転移は認めなかった.針生検で乳腺基質産生癌(matrix-producing carcinoma: MPC)と診断した.右乳癌(T1c,N0,M0 Stage Ⅰ)の術前診断で,右乳房部分切除およびセンチネルリンパ節生検を施行した.術後病理組織所見では紡錘細胞を介さずに骨軟骨様基質から癌腫への直接移行を認め,また軟骨分化マーカーであるSRY-related HMG box-9(SOX9)の発現も認めた.免疫組織化学検査はトリプルネガティブ乳癌であり,Ki67 labering index 50%であった.術後は残存乳房への補助放射線療法のみを施行し,現在まで術後5年を経過し無再発生存中である.MPCは化生癌(metaplastic carcinoma)の一亜型である比較的稀な癌腫で,そのほとんどはトリプルネガティブ乳癌であり,通常型乳癌と比較して予後不良と言われている.今回我々はMRIとCTの造影所見で特徴的なリング状の造影増強効果を呈したMPCの手術症例を経験した.MPCの内因性サブタイプや予後はいまだに議論となるところであり,さらなる症例の蓄積が必要である.

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© 2017 産業医科大学
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