Journal of UOEH
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[症例報告]
後腹膜傍神経節腫の1例
天池 孝夫 田村 利尚古賀 敦大柴尾 和徳日暮 愛一郎平田 敬治
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キーワード: 傍神経節腫, 後腹膜腫瘤
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2017 年 39 巻 2 号 p. 161-166

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抄録

傍神経節腫(paraganglioma)は交感神経節のクロム親和性細胞より発生するカテコールアミン産生腫瘍であり,副腎外に発生する.後腹膜傍神経節腫の切除例を経験したので報告する.症例は72歳男性.高血圧,ペースメーカー植込みの既往があり,フォローのための造影CTで,右腸腰筋腹側の腫瘤を指摘され,当科紹介となった.精密検査の結果,悪性疾患も否定できないため,開腹後腹膜腫瘤摘出術を行った.摘出した腫瘤の病理・免疫組織学的所見より,後腹膜傍神経節腫の診断であった.術後は,術前に認められた高血圧は改善し,術後9ヶ月後も再発所見を含めて明らかな異常は認めていない.術後25年目の再発報告例もあり,今後も慎重な経過観察が必要である.

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© 2017 産業医科大学
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