Journal of UOEH
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[報告]
新生児集中治療におけるFamily-Centered Careの重要性~集中治療と育児支援との両立を目指した取り組み~
荒木 俊介 斉藤 朋子市川 さおり斉藤 香織高田 鼓野口 聡子山田 美貴中川 ふみ
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2017 年 39 巻 3 号 p. 235-240

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抄録
新生児集中治療では後遺症なき生存を目指すため,集中治療の質を高めることが重要視されるが,退院後の家族での生活にも思いを寄せるケアも必要である.つまり,入院中の親子分離から生じる愛着形成不全や退院後の育児における困難感を軽減することが重要である.そのために家族をケアチームの一員とするfamily-centered care (FCC)の概念は,新生児集中治療の現場でこそ重要である.私達は2013年に全国から集まった新生児科医,NICU看護師,助産師による8名の多職種チーム‘こどもかぞくまんなか’をつくり,FCCの先駆的な施設であるスウェーデンのウプサラ大学NICUを視察し,以後ウェブサイトやソーシャルネットワークサービスなどを用いて,全国の周産期医療関係者,患者家族に新生児集中治療におけるFCCについての情報提供を行ってきた.私たちが2015年に行ったFCCの現状のアンケート調査では,家族ができるケアには,施設間の差があるが,各施設で家族が過ごしやすい空間を作る取り組みや勉強会が開催されており,FCCの重要性が広く認識されて来ていることが示唆される結果であった.社会のシステムや設備を変更することは難しいが,日常の業務にFCCの精神を取り入れることは可能であり,より重要である.新生児集中治療室に入院した赤ちゃんが入院中も退院後も家族と安全で豊かな生活ができるように,今後もFCCが国内で広く普及するように努める.
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© 2017 産業医科大学
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