2019 年 41 巻 4 号 p. 425-430
光散乱方式に基づく粉じん計は,作業環境中のエアロゾル濃度を測定するために広く使用されている.日本では,作業者への粉じんばく露を制御するために,各作業場所での濃度が粉じん計によって測定され,質量濃度によって較正されている.作業場の特定の点の質量濃度は,粉じん計と同時に測定される.吸入性粉じんの質量濃度は,ロウボリウムエアサンプラなどを用いた重量法で求める必要がある.しかしながら,いくつかの粉じん計は,吸入性粉じんの分粒装置を備えておらず,しばしば較正時に不安定な結果を得た.本研究では,粉じん計用の小型サイクロンを試作し,このサイクロンについて吸入性粉じんとPM2.5の分離性能を評価した.