Journal of UOEH
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5-アミノレブリン酸:悪性神経膠腫に対する術中蛍光診断におけるピットフォールと悪性神経膠腫治療への応用
山本 淳考 北川 雄大宮岡 亮鈴木 恒平髙松 聖史郎齋藤 健中野 良昭
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2020 年 42 巻 1 号 p. 27-34

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抄録

5-アミノレブリン酸(5-ALA)は,悪性神経膠腫に対する術中蛍光診断における生体蛍光標識薬として広く利用されている.5-ALAそのものは光感受性物質ではなく,神経膠腫細胞のミトコンドリアにプロトポルフィリンIX(PpIX)を集積させるプロドラッグである.このPpIXが光感受性物質の性質を有する.5-ALAを用いた悪性神経膠腫に対する術中蛍光診断には,ピットフォールが存在する.また,5-ALAは,ただ単に蛍光診断薬ではなく,がん治療におけるミトコンドリア標的薬としての可能性を有する.本稿では,最新論文を基に5-ALAを用いた悪性神経膠腫に対する術中蛍光診断におけるピットフォールと5-ALAの悪性神経膠腫治療への応用について私見を加えて解説する.

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© 2020 産業医科大学
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