マラリアはいまだ世界の公衆衛生における懸案事項であり,リスク要因を特定することは,マラリア制御に向けた取り組みを決定するために不可欠である.今回,マラリアの潜在的な環境的リスク要因および人間の行動におけるリスク要因を研究した.2018年6月から8月にかけて,バンジャルネガラのバンジャルマング第一保健センターエリアで対症例対照研究を実施した.構造的調査票およびチェックリストを用いて50名の参加者からデータを集め,カイ二乗検定,フィッシャーの正確確率検定およびロジスティック回帰で分析した.ベッドネットの下で寝ていないこと(OR = 2.087 [95%CI : 1.148 – 3.795]),屋内換気に金網がないこと(OR = 3.9 [95%CI : 0.624 – 24.452]),野外活動時の予防策不足(OR = 2.020 [95%CI : 1.033 – 3.953])にマラリアと正の関連がみられた.ベッドネットの下で寝ていないこと,屋内換気に金網がないこと,屋外で活動しているときの予防策不足が,マラリアの独立したリスク要因として特定された.