2020 年 42 巻 2 号 p. 203-208
症例は,胸部レントゲン写真にて右上肺野にニボー様の透過性低下を伴った肺嚢胞を指摘された37歳の男性.広域スペクトラムの抗菌薬治療にも関わらず,液面レベルは徐々に上昇した.右上葉切除が行われ,抗酸菌を伴った類上皮肉芽腫が病理組織学的に認められた.内腔液の細菌培養検査は陰性であったが,抗酸菌培養検査はMycobacterium aviumが陽性であった.そのため,患者はMycobacterium aviumによる感染性肺嚢胞と診断された.感染性肺嚢胞の切除後,患者は抗酸菌治療薬を用いた追加治療を受けた.我々が知る限り,本報告は,Mycobacterium aviumによってのみ生じた感染性肺嚢胞の最初の英文報告である.