2022 年 44 巻 2 号 p. 191-196
近年,免疫チェックポイント阻害薬等の多くの新規薬剤が登場し,また産業医科大学病院では2018年1月からda Vinci Xi(Intuitive Surgical G.K. CA)を導入している.この前後の診療実態を把握するために,泌尿器科における2017年1月から2019年12月までの3年間の外来患者,入院患者,および手術術式に関する集計を行った.外来初診患者数は,2017年より年間1,406人,1,530人,1,494人とほぼ横ばいであった.入院患者数は年間862人,1,021人,1,239人と増加傾向であり,主な疾患は3年間で膀胱癌676例(21.7%),腎癌374例(12.0%),前立腺癌268例(8.6%),尿路結石症263例(8.4%)であった.手術件数は年間610件,636件,685件と増加傾向であり,3年間で経尿道的手術1,063件(55.0%),腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術396件(20.5%)であった.入院患者数と手術件数は年々増加しているが,医療資源は限られており,今後はより効率的な機能分担が必要であり,近隣の医療機関との連携を促進させ,地域の基幹病院として役割を果たす必要がある.