Journal of UOEH
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トルイジン曝露により呼吸困難,チアノーゼを呈したメトヘモグロビン血症を発症した1例
眞田 彩華二瓶 俊一 石川 成人山下 美沙子物江 智香子大坪 広樹蒲地 正幸真弓 俊彦
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2022 年 44 巻 2 号 p. 185-190

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抄録
トルイジンによる膀胱癌発症が知られている.一方メトヘモグロビン(Met-Hb)血症は稀な疾患であり,トルイジンによるMet-Hb血症の認知度は低い.今回我々は,トルイジン曝露によるMet-Hb血症の1例を経験したので報告する.症例は50歳代男性.トルイジン溶液運搬中に溶液がこぼれ,衣服に付着したが,着替えや除染を行わず2時間かけて職場に運転して戻った.職場に戻ったところ呼吸困難が出現し,救急要請し,前医へ搬送された.著明なチアノーゼを認め, Met-Hb 44%と高値であったため,トルイジン曝露によるMet-Hb血症と診断された.加療目的に当院へ転院,集中治療室に入室となった.集中治療室入室後Met-Hb血症の治療が開始され,Met-Hb値は正常化し,症状も改善した.本症例のようなトルイジンを取り扱う労働者のチアノーゼや呼吸困難では,Met-Hb血症を考慮すべきである.
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© 2022 産業医科大学
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