Journal of UOEH
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勤労者の疲労自覚症状と作業に対する負担意識
―その年齢・職務比較―
神代 雅晴長江 寿江子
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1984 年 6 巻 3 号 p. 273-281

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抄録

某大規模電機メーカーの男子従業員1,376名を対象として, 疲労自覚症状調査ならびに従業員意識調査を行い, 年齢, 職種, 職階ごとにおける疲労感の特徴的症状, さらには勤労者の生きがい, 達成感, 単調感等を指標とした職務に対する負担意識の差違について比較検討した. 結果として, 疲労自覚症状は壮年および中高年齢勤労者に比べて若年勤労者に高い有訴率を示す傾向が観察され, さらに,中年齢勤労者に関しては非管理職者に高有訴率の傾向がうかがわれた. 一方, 疲労感の発現は職務に対する面白さ, 達成感あるいは職場の人間関係に起因する感情, すなわち, 負担意識の度合が大きく影響することが示唆された. 同時に, 労働様態の差違が身体的な側面を表現する疲労感の発現に寄与していることが示唆された.

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© 1984 産業医科大学
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