5828Niから,
12050Snまでの約百個の原子核の励起のエネルギーレベルを, パウリ原理とH
Y相互作用を取り込んだフォノン模型の与える描像をもとに, 2フォノン, 3フォノンのエネルギー領域について, 検討する. 2フォノン領域では, パウリ原理の与えるスピンの順に反し, 2
+が低く, 4
+が高く出ている事, 3フォノン領域でも, パウリ原理で高く予想されるスピン状態2
+, 3
+あるいは0
+が, 低く出ている事, また, エネルギーが全体的に低く, レベルの密度も高いというフォノン模型の問題点が指摘される. これ等の問題は, BCS近似の悪さ, 非集団的状態の結合, 同じフォノンの積み重ねの悪さ等に起因している可能性が指摘される. これ等の問題を解決できる定式化の考え方が示される.
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