住宅総合研究財団研究論文集
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沖縄本島中北部における集落生活空間の変化に関する研究
三時点(1945年,1972-74年,2003年)の屋敷林の変化を通して
安藤 徹哉小野 啓子
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 33 巻 p. 417-428

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抄録

 本研究は,沖縄地方の伝統的な集落生活空間の一部として機能してきたが,近年,姿を消しつつある屋敷林について,その形態的特徴と歴史的変化に関する分析を行ったものである。まず,沖縄本島で最もまとまったフクギの屋敷林を残す本部町備瀬集落を事例として,その形態的特徴を明らかにする。次に,沖縄本島中北部の90集落について屋敷林の残存状況の変化とその理由を三時点(1945,1972-74,2003年)の空中写真の比較と現地での聞き取り調査から分析する。琉球王府時代から戦前まで,屋敷林は厳しい気象条件を緩和しつつ生活に密着した重要な役割を果たしてきたが,戦災復興を契機として生活の近代化に伴い激減したことが明らかになった。

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© 2007 一般財団法人 住総研
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