住宅総合研究財団研究論文集
Online ISSN : 2423-9887
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ネパールの都市部における高齢者の居住空間のあり方に関する研究
市街部の新旧住宅類型でみた高齢者の居住様態とその空間構造
上野 勝代藤本 尚久Kurata Tsutomuサキャ ラタ
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 33 巻 p. 53-64

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抄録

 本研究はネパールの都市部の伝統型住宅街と新型住宅街における高齢者の生活と居住空間の実態から,その変化と評価すべき点ならびに改善すべき点を明らかにし,住宅計画上の課題を明確にするものである。主な成果は以下の通りである。1)高齢者の一日は巡拝で始まり,昼は家族および孫と過ごし,夕方は近所と談話しながら過ごす。この生活は多世代との交流が豊富で孤独を感じさせない生活であり,スピリチュアルライフといえる。2)新型住宅街では伝統型が有していた住宅内の立体的空間構成や外部の広場がなくなってきており,高齢者にとっては自宅内での日常生活行為は行いやすくなっているが,自宅外で過ごす居場所がなくなるなどの生活の質が制限されてきている。

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© 2007 一般財団法人 住総研
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