2007 年 33 巻 p. 347-356
本研究では室内空気汚染化学物質のひとつであるアセトアルデヒドの発生源を解明するために,アセトアルデヒド分子内炭素の14C/12C測定に基づく方法を検討した。室内空気をサンプリングし,分取液体クロマトグラフィー,分取ガスクロマトグラフィーを併用して,室内空気中に存在する他の化学物質からアセトアルデヒドのみを単離精製する方法を開発した。この前処理方法を首都圏にある新築未入居住宅からサンプリングした室内空気に適用し,単離したアセトアルデヒドの14C/12C測定をおこなったところ,化石燃料起源(=人為起源)と天然起源とがほぼ半々であることが判明した。室内空気汚染低減化のための重要な基礎情報が得られた。