2008 年 34 巻 p. 385-396
日本のコーポラティブ住宅は,建設当初から居住者が参加するところに特徴があり,それにより良好なコミュニティが生まれるといわれている。しかし,建設当初の居住者のコミュニティは,建設から月日が経つとともに,入居者の入替わりや高齢化により薄れつつあると考えられる。本研究では,建設後20年以上経った37事例と10~19年経った21事例のコーポラティブ住宅を研究対象とし,アンケートおよびヒアリング調査により,経年に伴う住まい方やコミュニティ活動の変化,住戸の中古売買や賃貸化の状況,および建物大規模修繕や維持管理の状況について明らかにし,年数を経たコーポラティブ住宅の再生手法の提案を行った。