2008 年 34 巻 p. 101-112
本研究は,在日コリアンが集住する戸手四丁目河川敷地区の形成から解体までを記録し,同地区の住環境運営の特性について明らかにすることを目的とする。その結果,以下について明らかになった。同地区は1960年前後の数年間に在日コリアンにより形成され,その後,初期居住者によるインフラ整備,賃貸経営,及び教会による生活支援が実施され,社会的弱者の受け皿で,かつ多様な生活スタイルを受け入れるまちになっていった。同地区の大部分は2006年に再開発によって解体され,ほとんどの居住者は地区外へと転居していった。