2008 年 34 巻 p. 173-184
本研究は,隣接グラフによる類型化に基づき集合住宅住戸の変遷を再検証したものである。研究の第一段階では,公団の標準設計,公営住宅,超高層集合住宅,コーポラティブ住宅,建築家による集合住宅の提案など対象となる住戸を特徴あるグルーピングに分けて調査・分析し,近年,様々に提案される新しい住戸には居間の中心性を高めた間取りが多く提案されていることを示し,その現代的な意味を考えた。研究の第二段階として,隣接グラフによる空間構造の分析に基づき,集合住宅の導入期から現在までの住戸平面の変遷を通史的に概観する年表を作成した。