2009 年 35 巻 p. 131-142
本研究は,横浜市の保育施設を対象とした屋外遊戯場の実態や公園利用の状況把握とともに,保育環境としての公園像について明らかにすることを目的とする。保育施設のほとんどが「週1回以上」園外活動を行うこと,週に1回以上利用する公園の66%が街区公園であること,園庭の広さが十分でない保育施設では公園をほぼ毎日利用といった園庭の代替利用の実態と共に,保育のねらいによる公園ニーズの相違を明らかにした。保育施設にとって公園は「屋外遊戯揚」の補完・代替だけでなく,保育を展開する上での積極(強化)的利用をする場として重要な位置づけであり,これらを受け止める地域との関係や体制のしくみづくりが急務な課題といえる。