住宅総合研究財団研究論文集
Online ISSN : 2423-9887
Print ISSN : 1880-2702
ISSN-L : 1880-2702
メキシコ震災復興住宅政策の社会的影響と自助建設活動の意義
民衆住宅再建計画とカンパメントス・ウニードスの活動に着目して
天野 裕土肥 真人木村 直紀
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 35 巻 p. 321-332

詳細
抄録

 本研究では,1985年に発生したメキシコ大地震の復興政策,およびNGO・民衆セクターによる住宅再建の取り組みを対象とした調査を行い,震災復興政策の社会的影響として,メキシコシティ都心部のインナーシティをもともとの住民を外部に追い出すことなく,かつ安価な条件で住宅供給を行うことで解消し,一方で被災者運動の成功が復興政策に含まれなかった住宅問題の取り組みに大きな推進力を与え,震災以降政治変革を迫る社会運動として発展していったこと,また自助建設活動の意義として,伝統的な共同体生活に不可欠な居住空間を継承した住宅の再建および包括的なコミュニティデベロップメントを通じた地域社会の再生を達成したことを明らかにした。

著者関連情報
© 2009 一般財団法人 住総研
前の記事 次の記事
feedback
Top