2011 年 37 巻 p. 85-95
本研究では,居住者の除雪行動を把握した上で,除雪労力と住戸計画の関係から雪処理に配慮した住宅(地)計画の基礎資料を構築することが目的とするものである。研究対象地区は,住宅地の雪対策が充実している旭川市に隣接する鷹栖町の新興住宅地であり,そこの地区の居住者に「除排雪に対するアンケート調査」「居住者の除雪行動を把握するため除雪記録簿を配布しモニター調査」「冬期間の除雪状況の把握をするため現地調査」を実施し,居住者の除雪量を定量的に算出し,除雪量と除雪行動の関係を主たる分析した。多くの住民は出勤前に除雪をおこない,敷地内雪堆積場所(敷地内空地)に排雪するのではなく,空地や公園または道路(歩道)排雪に依存していること,が確認できた。