抄録
本研究では 1)民間シェルターによる DV被害者向け住宅確保支援の全国的状況,2)生活保護を DV被害者支援の軸に据え行政との連携のもと極めて合理的な支援を展開する神奈川県の事例について明らかにした。DV防止法制定以降,行政と民間との連携による支援が盛んに言われてきたが,未だ多くの民間シェルターが無償で被害者を掬い上げ,限られた選択肢の中,民間主導で自立支援を行っている事実が確認された。他方,神奈川県は民間,県,市町村の役割を明確にし,県内同一のルールのもと合理的な支援を実現していた。但し,生活保護を活用しても行き場の定まらない重篤なケースが多く確認され,これに対する支援整備を急務の課題として挙げた。