2013 年 39 巻 p. 201-212
建築構法は戦後に成立した学問分野であるが,日本の建築生産の工業化に大きな役割を果たした。建築構法の成立に寄与した内田祥哉は建築構法を設計方法論として理解し,それによって従来の一般構造(在来工法)の合理化を目指していた。しかし建築構法は,60~70 年代の建築の工業化とオープンビルディングの動きを通じて,設計論から建築生産プロセスを包含する生産論へと変化を遂げる。その過程で当初設計方法論と考えられたモデュラーコーディネーションは,建築各部位のライフサイクルに沿って計画を組織化する手法として理解され,建築構法計画の現代的な課題としてサスティナブルが浮上した。