2016 年 42 巻 p. 25-36
本研究は,2014年度重点テーマ「受け継がれる住まい」の一端として,コンバージョン(用途変更・転用)が行われた居住施設に対象として「住まい性」「居住施設としての性格や表現」がどのように受け継がれうるかという点を,実際に現地調査を行ったコンバージョン事例を中心に考察することを目的とする。考察では,「受け継がれる住まい」に関して,大きく空間や機能を変えながら住まいが受け継がれる様を,居住施設がコンバージョンされた事例とコンバージョンされて居住施設になった事例に分けて,外観,内部空間,住居の記憶といった視点を設定して分析を行う。それにより,居住施設の多様な受け継がれ方の一端を明らかにする。