1994 年 25 巻 2 号 p. 37-41
兎の大腿骨の骨髄中に, 直径0.5mmで長さ5mmの白金電極2本を20mmの間隔をおき刺入し, 医療において用いられている20μAと筆者らの検討の結果の電位をもとにした条件 (2.0~2.2V) で, それぞれ14日間通電した結果,
1) 20μAでは2.5Vの通電となり, 骨髄中の陽電極周囲組織は壊死や変性, あるいはガス発生所見を呈し, 刺入部の骨皮質は肥厚した。
2) 2.0~2.2Vでは, 陽・陰電極周囲に髄内仮骨, 刺入孔周囲に骨膜性仮骨がみられた。
また, 通電による骨の仮骨の新生は, 損傷を受けた骨組織を中心として形成されることが判明し, 骨新生は髄内より皮質において高度で, また, この通電手技によると陽極側が陰極側よりも顕著であった。