日本獣医がん学会雑誌
Online ISSN : 1884-3352
Print ISSN : 1884-3344
ISSN-L : 1884-3344
原著
イヌの両側性甲状腺癌に対して片側切除を実施した8例
圓尾 拓也信田 卓男武田 晴央杉山 大樹横山 知美金久保 佳代山田 徹伊藤 哲郎斑目 広郎茅沼 秀樹菅沼 常徳
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 1 巻 4 号 p. 64-69

詳細
抄録
2000年4月から2008年12月までに両側性甲状腺癌と診断され片側切除を実施した8例の生存分析を行った。年齢は平均9歳で転移は認められなかった。切除した腫瘍の大きさは平均4.6cm(幅3~8cm)で、切除しなかった残存腫瘤の大きさは平均2.5cm(幅2~4cm)であった。5頭で化学療法を実施し、局所再発や遠隔転移は認められなかった。生存期間中央値は593日で、腫瘍関連死は、術後11日に喉頭麻痺により死亡した1例のみであった。これらのことから、反対側の腫瘤が小さい場合には片側の腫瘤切除が有効である可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2010 日本獣医がん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top