日本獣医がん学会雑誌
Online ISSN : 1884-3352
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原著
犬リンパ腫107例におけるL-アスパラギナーゼとプレドニゾロンの初期導入による反応の検討
信田 卓男福岡 里江子圓尾 拓也伊藤 哲郎川村 裕子武田 晴央杉山 大樹石川 剛司山田 徹斑目 広郎茅沼 秀樹菅沼 常徳
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2010 年 1 巻 4 号 p. 58-63

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抄録
犬のリンパ腫107例に対して、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンにより初期導入を行い、その反応を分析した。評価可能であった104例のうち、寛解率は92.3%(完全寛解27.9%、部分寛解64.4%)であった。皮膚型リンパ腫より多中心型リンパ腫の方が、有意に寛解率が高かったものの(p=0.045)、ステージ、サブステージ、ステロイド投与歴による差は認められなかった。臨床的に有意なアナフィラキシー反応や膵炎は認められなかった。以上のことから、L-アスパラギナーゼとプレドニゾロンによるダウンステージを目的とした導入は、有効であると考えられた。
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© 2010 日本獣医がん学会
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