抄録
北海道豊頃町公共牧場において放牧中のホルスタイン種雌育成牛188頭に対し糞便検査を行ない, 消化管内寄生虫および牛肺虫の寄生状況の調査を行った。また, その後にイベルメクチン製剤を経皮投与し, その駆虫効果についても検討した。消化管内線虫は全体の93.1%, 牛肺虫は31.4%の牛が感染しており, 広範な牧野での感染が確認された。イベルメクチン製剤投与後は消化管内線虫陽性牛が71.8%に減少し, 糞便1g当たりのの虫卵数 (EPG) も有意に減少した。イベルメクチン投与28日後では牛肺虫感染は確認されなかった。しかし, コクシジウム感染は188頭中187頭で見られ, イベルメクチン製剤投与後の検査でも感染は軽減しなかった。これらのことからコクシジウムをも含めた放牧牛の寄生虫・衛生対策の必要性が示唆された。