獣医疫学雑誌
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わが国におけるBSE発生動向の分析: 逆計算法による応用的検討
西浦 博梯 正之
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2004 年 8 巻 2 号 p. 65-76

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抄録
わが国におけるBSEの近未来における発生動向について可能な限りの精度で予測を施すことは最も重要な疫学的課題である。われわれは予測を試みると共に発生動向に関する疫学的解釈を得る目的で, 逆計算法を応用することによってそれを検討した。最も重要となる確率密度関数である (1) BSEの潜伏期間, (2) 年齢に依存した感受性, (3) 家畜の実際の余命に関する生存関数については, 過去の英国における研究成果を条件付きで利用した。現在までに11頭のBSE確定診断例が得られているが (2頭の非定型例を含む場合と含まない場合を別々に取り扱いながら) , それに基づいて4つの異なる想定をした結果, 2010年迄に2から18頭の新たな発生が予測され, 同時に各々に関する95%予測信頼区間が得られた。出生年齢別にコホートとして層化することによって, われわれのモデルでは飼料等を通じた主な感染機会は1996年中に集中していると考えられ, それ以降は非常に暴露の可能性が低かったものと考えられた。最後に, 希薄な診断頭数における逆計算法の応用に関する技術的な問題点とその改善策・対応方法について考察した。
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