日本獣医師会雑誌
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日本小動物獣医学会会誌
猫の島細胞腫の1例
金谷 俊平御領 政信佐々木 淳宍戸 智岡田 幸助
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2009 年 62 巻 10 号 p. 810-814

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抄録

16歳齢の日本猫,雑種の去勢雄が,歩行困難,起立困難,ふらつき歩行等があるとの主訴で来院し,初診日の9日後には顔面から前肢に至る痙攣発作が認められた.その時の血糖値は著しく低値で(32mg/dl),臨床的にインスリノーマが疑われた.試験的開腹術により,膵臓右葉における直径6mmの単発性腫瘤を摘出,病理組織学的に島細胞腫と診断された.コンゴー赤染色では,間質にアミロイドの沈着が証明され,腫瘍細胞は免疫組織化学的にクロモグラニンAに対して陽性,インスリンに対して陰性を示した.電顕検索では,腫瘍細胞は径100~250nmの分泌顆粒を有していた.短桿状のコアを有し限界膜との間にハローが存在する典型的β顆粒はまれで,電子密度の高い球形の異型顆粒が多く認められた.

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© 2009 公益社団法人 日本獣医師会
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