抄録
妊娠末期の母牛の栄養状態が黒毛和種産子の出生後の免疫状態に及ぼす影響を調べるため,妊娠末期において異なる飼養設計にて飼育した母牛の産子を対象に出生後の末梢血白血球ポピュレーションを観察した. 供試牛は一牧場で飼育されていた母牛とその産子33組で,母牛の産歴とその給与飼料内容により,分娩前の飼料内容が不足した初産牛の産子(初産不足群;N=5)と経産牛の産子(経産不足群;N=8),充足した初産牛の産子(初産充足群;N=7)と経産牛の産子(経産充足群;N=13)の4群とした.経産不足群の産子におけるCD4+CD45R+T細胞数,CD8+CD45R+T細胞数およびB+細胞数は経産充足群の産子に比べ低値で推移した. このことから,経産牛の黒毛和種産子における出生後の免疫状態は,妊娠末期における母牛の飼料設計の充足状況に影響を受ける可能性がある.