日本獣医師会雑誌
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日本小動物獣医学会誌
頸部クモ膜囊胞に囊胞造袋術を実施した犬の1例
板本 和仁谷 健二田浦 保穂
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2010 年 63 巻 5 号 p. 375-378

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抄録
10カ月齢の未去勢雄のフラットコーテッドレトリーバーが,歩行時のふらつきを主訴に来院した. 神経学的検査で,固有位置感覚および踏み直り反応が両後肢で消失しており,測定過大が認められた. MRI検査では第1頸椎 (C1) 第3頸椎 (C3) の脊髄背側で,T2強調画像で高信号,T1強調画像で低信号の領域が認められ,C3に脊髄空洞症が認められた. 脊髄造影検査ではC3頭側での脳脊髄液の涙滴状の貯留が描出されたことから,本症例を頸部クモ膜囊胞と診断し,囊胞造袋術を実施した. 術後のMRI検査ではC2-3に認められた囊胞と思われる構造物が消失し,脊髄内にT2強調画像で高信号の領域は残存するものの,脊髄の圧迫は著しく改善していた. 術後36カ月経過するが症状の再発は認められず経過は良好である.
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© 2010 公益社団法人 日本獣医師会
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