抄録
症例はホルスタイン種乳用子牛(5カ月齢,雌)であり,右中足骨開放骨折を発症した. 螺旋状骨折ならびに短縮性縦軸転位が認められ,内外側2カ所で皮膚損傷ならびに排膿が観察された. 全身吸入麻酔下でDCP 固定およびLag Screw 固定を実施し,basic Fibroblast Growth Factor(bFGF)含浸ゼラチンハイドロゲル(GH)シートならびにバンコマイシン含有ポリ乳酸グルコール酸共重合体(PLGA)シートを骨折部位に装着した. 術後107日目のX線撮影により骨折部位の仮骨形成が観察された. GHがbFGFを徐放することにより,骨再生を効果的に促進したものと推察された. また,バンコマイシン含有PLGAシートにより重篤な骨髄炎の併発を予防できたものと推察された. 今後,牛の開放骨折治療に対するbFGF含浸GHシートならびにバンコマイシン含有PLGAシートの応用が期待された.