日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
犬の原発性頭蓋内組織球肉腫の1例
福井 翔上野 博史柄本 浩一浜洲 拓平山 和子谷山 弘行泉澤 康晴
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キーワード: , 組織球肉腫, 外科的摘出
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2011 年 64 巻 11 号 p. 889-892

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抄録
12歳齢,避妊雌,ゴールデンレトリーバーが頻回の全身性けいれん発作を主訴に来院した.頭部MRI検査により右側嗅葉部に腫瘤を認めた.経前頭洞開頭術により腫瘤を摘出し,病理組織検査に供したところ,組織球肉腫と診断された.ロムスチンを用いた化学療法を実施し,第195病日における頭部MRI検査では腫瘤の再増殖は認められなかった.しかしながら,第278病日に呼吸不全により死亡した.肺や四肢原発の組織球肉腫同様,頭蓋内原発の組織球肉腫に対しても外科的摘出後に化学療法を行うことで生存期間が延長する可能性が示唆された.
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© 2011 公益社団法人 日本獣医師会
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