2011 年 64 巻 6 号 p. 461-463
異性双子として出生し,フリーマーチンと診断された1例のホルスタイン種子牛の陰門部に長さ約10cm の尿道下裂が認められ,内股部の皮下から1対の精巣様組織が摘出された.染色体検査では,リンパ球がXX/XY(6:44)のキメラを示し,腎・脾臓組織はXX の雌型を示した.7カ月齢で病理解剖した結果,明瞭な陰茎海綿体,前立腺および精餒腺が認められ,中腎傍管は痕跡的な索状物として残存していた.本症例は,尿道下裂と精巣逸所を伴い,泌尿生殖器が高度に雄性化したフリーマーチンであった.