抄録
オカメインコにおける甚急性型オウム嘴羽病(PBFD)の作出を目的として,PBFDウイルス(PBFDV)接種実験を行った.PBFDV抗体フリーのオカメインコの幼雛(1~7日齢)5羽にウイルス乳剤を筋肉内接種し,接種後1,3,4,6,10週に剖検,全身諸臓器の病理組織学的検索を行った.また,剖検時に採取した組織を用いて,PCR法による病因学的検索を行った.接種後3週以降の症例でPBFDVの感染が成立していることが確認されたが,発症時期や病理組織学的検索結果は甚急性型PBFDよりも急性型PBFDの特徴と一致した.これらのことから,孵化間もないオカメインコ幼雛がPBFDVに感染しても急性型PBFDを発症し,甚急性型の実験的再現は難しいことが明らかになった.