日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
オカメインコ幼雛に対するオウム嘴羽病ウイルスの病原性
板橋 知子佐々木 淳倉持 好御領 政信
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2011 年 64 巻 7 号 p. 549-553

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抄録
オカメインコにおける甚急性型オウム嘴羽病(PBFD)の作出を目的として,PBFDウイルス(PBFDV)接種実験を行った.PBFDV抗体フリーのオカメインコの幼雛(1~7日齢)5羽にウイルス乳剤を筋肉内接種し,接種後1,3,4,6,10週に剖検,全身諸臓器の病理組織学的検索を行った.また,剖検時に採取した組織を用いて,PCR法による病因学的検索を行った.接種後3週以降の症例でPBFDVの感染が成立していることが確認されたが,発症時期や病理組織学的検索結果は甚急性型PBFDよりも急性型PBFDの特徴と一致した.これらのことから,孵化間もないオカメインコ幼雛がPBFDVに感染しても急性型PBFDを発症し,甚急性型の実験的再現は難しいことが明らかになった.
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© 2011 公益社団法人 日本獣医師会
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