日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
フェレットの副腎疾患に関する外科手術及び酢酸リュープロレリン投与の効果
三輪 恭嗣佐々木 伸雄
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2011 年 64 巻 7 号 p. 554-558

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抄録

フェレットの副腎疾患に対する外科手術及び酢酸リュープロレリンを主とした内科療法の有効性を,病理診断結果及び治療法に基づき回顧的に調査した.調査対象は58頭である.6カ月後の生存率は副腎皮質腺癌で最も低かったが,約7割が生存した.また,他臓器への明らかな転移は1例も確認できなかった.治療内容は,外科手術のみ25頭,内科治療と外科手術14頭,内科治療のみ19頭であった.6カ月後の生存率は外科治療群で最も低かったが,内科治療のみ及び併用群では1頭を除いてすべて生存した.内科治療の副作用は,持続する高血糖が1頭確認された以外重篤なものはみられなかった.これらの結果から,高齢や手術リスクの高い症例では内科治療を選択し,全身状態のよい腫瘤の摘出可能な症例では外科治療を選択すべきであると思われた.

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