日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
ミルリノンとカルペリチドの低用量併用療法を実施した重症心不全の犬5例
有田 申二有田 昇日笠 喜朗
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2011 年 64 巻 9 号 p. 728-732

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抄録

原因の異なる急性うっ血性心不全の犬5 頭が来院し,身体検査,血液検査,X線検査,血圧測定及び心エコー検査により,1頭は肺水腫を伴う左心不全及び4頭は肺高血圧症を呈した右心不全と診断された.ミルリノンとカルペリチドの低用量併用療法は,血圧と心拍出量の減少並びに腎不全の悪化を生じることなく,心拍数,左室拡張末期圧,三尖弁逆流速及び肺動脈圧を低下し,心不全の改善が認められた.本併用療法は,犬の慢性心不全の急性増悪期に対して有効な治療法となることを示した最初の報告である.

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