抄録
12歳齢のアメリカンショートヘアが左前肢の腫脹を主訴に来院した.X線検査で尺骨に高度の骨吸収を認め,穿刺吸引生検において悪性間葉系腫瘍による腫瘤性病変であることが疑われた.以上より,外科的治療が第一選択と考えられたことから,左前肢の断脚術を実施した.腫瘤部位の切り出し時肉眼所見では,尺骨や周囲組織への浸潤を伴う境界不明瞭な腫瘤が筋間に形成されていた.病理組織学的に腫瘤は多型性に富む腫瘍細胞の充実性増殖からなっており,横紋筋細胞に類似する細胞も観察された.また,免疫染色では,腫瘍細胞はミオグロビン陽性であった.以上の所見より,腫瘤は多形型横紋筋肉腫と診断された.術後4年が経過した現在も再発及び転移は認められず,良好に経過している.