抄録
ブロイラー鶏の趾蹠皮膚炎(Footpad dermatitis : FPD)を,病理組織学的及び細菌学的に検索した.材料は1,2,3,4及び7週齢ブロイラーの肉眼的に重度の皮膚炎を呈した趾蹠を用いた.組織学的検索の結果,週齢を問わず潰瘍あるいはび爛が高率に認められ,偽好酸球主体の炎症性細胞浸潤が全例に出現していた.痂皮形成及び表皮肥厚は検査した全例に,多核巨細胞は一部の鶏で認められた.真皮の線維増生と脂肪織の線維化は加齢に従って著しくなった.組織切片のグラム染色では,痂皮内及び痂皮表層部にグラム陽性及び陰性菌が認められた.1例ではあるが,痂皮内に真菌の増殖像が認められた.細菌学的には,病変部深層からブドウ球菌が高率に分離され,Staphylococcus lentus及び S.simulans が優位を占めた.