抄録
移行上皮癌と診断された犬の82症例について品種,性別,発生部位,治療方法,並びに予後調査を行った.その結果,雄よりも雌で多く発症する傾向があり,発症平均年齢9.9±0.3 歳,シェトランド・シープドック,ビーグル,シー・ズーが好発犬種となり,従来の報告と同様であった.治療は,ピロキシカム投与での内科療法単独もしくは,膀胱部分切除術や膀胱全摘出術,尿路変更術といった外科療法とピロキシカム投与の併用を行った.予後調査が可能であった42症例について内科療法単独群と各外科療法群による生存期間について比較検討を行った.膀胱尖部に発症した移行上皮癌は,膀胱部分摘出によって生存期間が有意(P <0.05)に長いことから,発生部位によっては外科療法が有効であることが示唆された.