2013 年 66 巻 1 号 p. 61-64
2007年から2010年の間に国内において下痢の症状が認められた12週齢以下の犬149症例の便または腸管を検体とし,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて犬コロナウイルス(CCoV)及び犬パルボウイルス2型(CPV-2)の検出状況を調査した結果,CCoV及びCPV-2の検出率はそれぞれ46.3%及び38.3%であった.CCoV陽性検体のうち,CCoV Iの検出率が年々増加傾向にあるものの,CCoV IIa の検出率に変化はなく,いまだに最も高い検出率であった(75.4%).CPV-2 陽性検体のうち,CPV-2b の検出率が最も高く(93.0%),CPV-2cは検出されなかった.全検体の12.1%においてCCoV及びCPV-2が同時に検出された.また,検出数が最も多かったのは,7週齢の犬の検体からであった.