日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
岩手県内の農場で死亡した牛における牛ウイルス性下痢ウイルスの感染状況調査
福成 和博八重樫 岳司千葉 伸亀山 健一郎
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2013 年 66 巻 11 号 p. 785-790

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抄録

2011年3月~2013年3月までの25カ月間に岩手県内の2,203農場で死亡し,牛海綿状脳症(BSE)検査に用いられた2歳齢以上の9,362頭の牛の延髄を活用し,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)感染状況を調査した.BVDVは飼養農場31戸(1.41%)の36頭(0.38%)から検出され,年齢別では死亡時に2歳齢であった牛が1.72%(22頭/1,279頭),生産農場の経営形態別では酪農場が1.76%(25戸/1,417戸)と有意に高い検出率を示した.また,36分離株における2型BVDVの割合も22.2%と高く,過去に行われた県内調査の結果と異なっていた.これらの成績から,本県におけるBVDの清浄化には,酪農場におけるBVDVの監視及び2型ウイルスの対策が重要であることが示唆された.死亡牛を活用したBVDV検査はBVDVの感染状況及び疫学調査に利用可能であると考えられた.

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