日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
犬の卵巣子宮摘出術におけるマロピタントによるイソフルラン要求量の減少及び嘔吐抑制効果
岡野 公禎木村 太郎枝村 一弥
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2013 年 66 巻 11 号 p. 801-806

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抄録

小型犬18頭の卵巣子宮摘出術に対し,マロピタントとモルヒネを併用した群(MAR-MOR,n=9)と,生理食塩水とモルヒネを投与した群(MOR,n=9)に分け,手術中のイソフルラン要求量の減少効果とモルヒネによる嘔吐の抑制効果を検証した.モルヒネ投与による嘔吐発生率はMAR-MOR群では11.1%,MOR群で66.6%であり,MAR-MOR群で有意に低下することが示唆された(P<0.05).手術中の平均イソフルラン要求量は,MAR-MOR群で1.74±0.13%,MOR群で1.91±0.12%と,MAR-MOR群ではイソフルラン要求量を約8.9%減少させることができた(P<0.05).さらに,手術開始から50分の時点では,イソフルラン要求量を約13.1%も減少させることができた(P<0.05).本検討の結果から,マロピタントによるイソフルラン要求量の減少とモルヒネ投与後の嘔吐抑制効果が確認された.

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