日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
犬猫におけるメチシリン感受性とメチシリン耐性ブドウ球菌感染症の治療成績
嶋田 恵理子木村 唯宮本 忠鳩谷 晋吾
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2014 年 67 巻 6 号 p. 426-431

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抄録

犬と猫のメチシリン感受性(MS)とメチシリン耐性(MR)ブドウ球菌感染症の治療法と治療成績について検討した.MSブドウ球菌は多くの抗菌薬に感受性で,おもにセファロスポリン系薬の投与により,ほとんどの症例が治癒した.MR Staphylococcus intermedius groupはテトラサイクリン系薬に90%以上,クロラムフェニコール(CP)に52%,ホスホマイシン(FOM)に34%が感受性で,MRコアグラーゼ陰性ブドウ球菌はテトラサイクリン系薬やスルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)に80%以上,オフロキサシン,CP,ゲンタマイシン(GM),アミカシン,FOMに47~69%が感受性で,MR Staphylococcus aureusはSTに100%,CPに80%,GMに67%,ドキシサイクリンに50%が感受性であった.これら感受性のある抗菌薬による治療でほとんどの症例が治癒した.

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© 2014 公益社団法人 日本獣医師会
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