日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
犬猫における第三世代セファロスポリン感受性と耐性腸内細菌科細菌感染症の治療成績
木村 唯嶋田 恵理子宮本 忠鳩谷 晋吾
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2014 年 67 巻 6 号 p. 419-425

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抄録

細菌感染症で当院に来院した犬と猫から分離された腸内細菌科細菌において,18%のEscherichia coli(32株),44%のKlebsiella pneumoniae(14株),43%のCitrobacter spp.(3株),2%のProteus mirabilis(1株)及び12%のEnterobacter spp.(3株)が第三世代セファロスポリン(3rdCEP)に耐性であった.3rdCEP感受性腸内細菌科細菌感染症例はおもにCEP系薬とフルオロキノロン系薬の投与により治癒した.3rdCEP耐性E. coli感染症例はおもにホスホマイシン(FOM)やドキシサイクリン(DOXY)が,3rdCEP耐性K. pneumoniae感染症例はDOXY,アミカシン(AMK)及びファロペネムが,3rdCEP耐性Citrobacter spp.感染症例はAMK,FOM及びスルファメトキサゾール・トリメトプリムが,3rdCEP耐性P. mirabilis感染症例はクロラムフェニコールが,3rdCEP耐性Enterobacter spp.感染症例はオフロキサシンが投与された.これら感受性のある抗菌薬による治療でほとんどの症例が治癒した.

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