日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
日本で初めて分離されたgenotype Cの牛パラインフルエンザウイルス3型による呼吸器病の発生事例
清水 和秋山 昌紀兼廣 愛美桑山 勝小西 美佐子
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2016 年 69 巻 2 号 p. 87-92

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抄録
2012年1月に県内の肉用牛肥育農家2戸で呼吸器病が発生し,牛パラインフルエンザウイルス3型(BPIV3)HS8及びHS9株が分離された.遺伝子解析の結果,両株の塩基配列は大きく異なっており,HS8株は国内標準株と同じgenotype A(BPIV3a)に,HS9株は2011年に報告された中国分離株と同じgenotype C(BPIV3c)に分類されることが判明した.わが国ではこれまでBPIV3aしか分離報告がなく,本事例が国内初のBPIV3c分離報告となる.本事例により,国内に少なくともBPIV3a及びBPIV3cの2種類の遺伝子型のBPIV3が存在することが明らかとなった.HS9株とBPIV3aの部分塩基配列を比較した結果,両者の相同性は現行のRT-PCR法で用いるプライマーが標的とするP遺伝子領域で最も低く,同プライマーではBPIV3b及びBPIV3cを検出できない可能性があることが示された.したがって,今後国内の牛パラインフルエンザ対策のために,全遺伝子型のBPIV3を検出可能なウイルス遺伝子検査法を開発する必要があると考える.
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