日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
小動物臨床関連部門
腎盂及び尿管に囊胞性病変が認められた犬の1例
堀江 和香三品 美夏渡邊 俊文
著者情報
キーワード: , 腎切開術, 囊胞性病変
ジャーナル フリー

2016 年 69 巻 5 号 p. 271-275

詳細
抄録

10歳8カ月齢,去勢雄,体重6.7kgのミニチュアダックスフントが,1年半前よりの間欠的な血尿を主訴に来院した.排泄性尿路造影検査及びCT検査において腎盂内から尿管にかけて占拠した囊胞性病変が確認された.そのため,開腹下にて尿管切開を実施し,尿管内を内視鏡にて観察したところ,ぶどうの房状に連なる囊胞性病変が確認された.囊胞性病変は腎盂側にまで続いており,その病変基部が腎盂内に限局し存在している可能性が示唆されたため,腎切開にて病変部を確認し切除した.病理組織学的検査結果は軽度の慢性炎症を伴う移行上皮の過形成であった.手術後より肉眼的な血尿は認められず,良好な経過をたどっている.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top