2015年2月〜2016年9月に,わが国の2カ所の野生鳥獣食肉処理施設で処理された鹿89頭を対象とし,獣体の剝皮後(洗浄前)及び洗浄後に,鹿枝肉の胸部(胸)と肛門周囲部(肛門)の衛生指標細菌数を計測した.胸,肛門の75.3%が牛の中央値(平成25年度全国調査)よりも低値を示した.大腸菌群数は胸の80.9%,肛門の78.7%,黄色ブドウ球菌数は胸の87.6%,肛門の92.1%で検出限界未満であった.洗浄前では,高度に汚染された枝肉(一般細菌数が10,000個/cm2以上となったもの)は胸の21.3%,肛門の15.7%に認められ,特に夏(胸60.0%,肛門45.0%),施設内の温度が20℃以上(胸58.5%,肛門43.9%)の条件下で多かった.電解水洗浄により,多くの枝肉で一般細菌数の減少が認められた.