日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
前胃に広範な丘疹状病変を伴ったホルスタイン種子牛の偽牛痘の1例
小島 浩一加藤 貴誉湖谷本 朱紀戸﨑 香織大竹 祥紘米山 州二芝原 友幸
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キーワード: 子牛, 前胃, 偽牛痘ウイルス
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2019 年 72 巻 7 号 p. 407-412

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抄録

2カ月齢のホルスタイン種子牛が,下痢を呈し斃死した.剖検では,口唇,舌,口蓋,食道及び前胃の粘膜の広範囲に重度の白色クリーム状の偽膜を伴った丘疹,び爛がみられた.組織学的に,口唇,口蓋,舌,第一胃,第二胃及び第三胃において,有棘細胞の顕著な増生と好酸性細胞質内封入体を伴う風船様変性による上皮の肥厚がみられた.免疫組織化学的に,病変部にパラポックスウイルス(PPV)家兎血清に対する陽性反応がみられ,超微形態学的に同ウイルス粒子が確認された.舌乳剤上清と第三胃のパラフィン切片からPPV特異遺伝子が検出され,PCR産物の制限酵素断片長多型解析並びに塩基配列から偽牛痘ウイルスに分類された.以上の成績から,本症例は前胃に広範な丘疹状病変を伴った偽牛痘と診断した.

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