2020 年 73 巻 10 号 p. 582-584
山羊における国内初のロドコッカス・エクイ感染症例を沖縄県肉用繁殖山羊農場のボアー種で認め,その分離株が毒力関連抗原遺伝子(vapAとvapB)のPCRで陰性を示したことから,無毒株であると報告した(日獣会誌,68,751-755,2015).その後,新たな毒力関連抗原遺伝子vapN がイギリスの牛分離株で2015年に報告され,その病理所見が山羊症例ときわめて類似していたことから,今回,毒力の再検討を実施した.その結果,山羊分離株32株のすべて(100%)と土壌分離株29株中10株(34.5%)がvapN 遺伝子陽性であった.以上の成績から,国内初の山羊症例はvapN 遺伝子陽性の新型病原性プラスミドを保有する毒力株による感染症であったことが明らかとなった.